ソフトボール少年男子 粘りの3位 春夏秋全国3冠は届かず いちご一会とちぎ国体

【ソフトボール少年男子準決勝、長崎-福井】力投する長崎のエース遠藤(大村工高)=足利市、エコアールグリーン球場

 1-4で試合終盤に突入した福井との準決勝。この土壇場から、ソフトボール少年男子は驚異的な粘りを見せた。
 六回2死二、三塁から相手バッテリーのミスを見逃さずまず2点。七回は2死満塁からの押し出しで試合を振り出しに戻した。だが、タイブレークの延長八回に痛打を浴びて反撃はここまで。「春夏秋の3冠」を掲げた挑戦は、3位で幕を閉じた。
 春の全国選抜大会を制し、夏のインターハイで3連覇を果たした大村工高を主体とする好チーム。この日も準々決勝で難敵岡山を4-1で退けたが、山口監督(大村工高教)は「ここで強い相手とやって消耗してしまった。厳しい戦いを強いられた」。ダブルヘッダーとなった福井との準決勝。岡山戦で完投したエース遠藤(大村工高)が四回までに2発の2ランを浴び、自慢の強力打線も好機に一本が出なかった。
 長崎県勢は2012年以降で春8回、夏6回の優勝を誇る一方、選抜チームで臨む秋の国体は2012年岐阜国体を最後に優勝がない。前回の19年茨城国体も準優勝だっただけに、今大会に懸ける思いは強かった。主将の上野(同)も「今度こそ3冠を」と公言して、周囲の誰もが認めるほどの準備もしてきた。だが、勝負の世界はほろ苦かった。
 3位で悔し涙を流せるのは立派だ。3年生にとっては高校の集大成。山口監督は最後まで意地を見せて戦った教え子たちをねぎらい、激励の言葉を贈った。「この子たちは今からが本当の勝負。この経験を糧に、それぞれがもっと頼もしくなって、今度は成年の県代表で活躍できるようになってほしい」


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