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怖いもの知らずの高校1年生が、全国の猛者たちを次々に投げ倒した。レスリングの少年男子グレコローマンスタイル51キロ級で、小川(島原高)が準優勝を飾った。まだあどけなさが残るヒーローは「テレビで見るような成年の有名選手と同じマットで戦えた。これまで経験してきた大会とは雰囲気が全然違った」と自身初の国体を十分に楽しんだ様子だった。
昨夏の全国中学大会で銀メダルに輝いた逸材は、今春の高校入学後から進化を加速させている。かつて同じ軽量級の国体代表で活躍した伊藤監督(島原高教)に師事。28歳の指導者と日々スパーリングを続けながら、夏のインターハイ(フリースタイル)で銅、全国高校グレコ選手権で銀という好成績を残した。
そのグレコに出場するのは今回が2度目。経験は少ないながらも、戦い方の引き出しを増やし、積極的に仕掛けた。準決勝では一本背負いを決めるなど新技も披露。決勝は微妙なジャッジで消極的姿勢と見なされ、不利な体勢での試合再開から連続技を決められてTフォール負けしたが、最後まで攻め続けることはできた。
何よりも決勝の舞台に物おじせず、自ら向かっていった姿勢は立派だ。すでに長崎のエースとしての自覚を持ち、敗れた後に「優勝できなくて申し訳ない」と涙でほおをぬらした16歳。その悔しさを持ち続ければ、頂点に立つ日もそう遠くはない。