台風15号で被災した人を対象として、無料のレンタカーサービスが10月11日から始まりました。生活の足となる「車が足りない」。実は被災者だけでなく、車を貸す側もこの問題に直面しています。
生活再建への第一歩を。11日から静岡県静岡市葵区の常葉大学瀬名キャンパスに設けられたのは、台風で被害を受けた人たちに無料で車を貸し出すサービスです。
9月の台風15号では、静岡市を中心に浸水被害が相次ぎました。住宅はもちろん、車の被害も深刻で3万台に影響が及ぶとの見方も浮上しています。
今回のサービスは台風15号で被災した人が対象で、軽乗用車なら最長14日間、軽トラックは最長で2日間借りることができます。使われる車は、このサービスを展開する日本カーシェアリング協会に企業や個人から寄付された中古車です。
<日本カーシェアリング協会 吉澤武彦代表理事>
「思った以上に車の被害が多く、何とか力になれたらと」
車は日常生活に欠かせず、制限があるとはいえ、ただで借りられる車は魅力的です。
<清水区民>
「通勤、子どもの送迎、買い物もできなくて、ネットで買い物していた」
「保険会社に電話しても(代車は)出払っていてありませんと言われた」
浸水した車は修理や廃車が相次ぎ、業者も対応が追いつかない状況です。まさに「車が足りない」状況なのですが、実は車を貸す側も状況は同じだといいます。
<日本カーシェアリング協会 吉澤武彦代表理事>
「今の時点で申し込みは100件超えている。もっと車を集めて被災された人に早く届けたい」
2022年は九州や東北などでも大雨の災害が相次ぎ、それらの地域でも同じサービスが展開されています。現時点で静岡県内で確保できたのは40台。車の寄付を募っています。
<日本カーシェアリング協会 吉澤武彦代表理事>
「1日1日困った状況が続くので、前に進むために車を集めたい」
元の生活に戻るためには欠かせない車という存在。日本カーシェアリング協会では、借りたい人も車を寄付したいという人も、まずは電話で連絡をくださいと呼びかけています。