秋の陽光たっぷり 赤一層鮮やかに 鏡野で「姫とうがらし」天日干し

天日干しされる「姫とうがらし」

 岡山県鏡野町特産トウガラシ「姫とうがらし」の天日干しが、奥津湖総合案内所「みずの郷(さと)奥津湖」(同町河内)で行われている。赤い実は大きく、じわりと広がる辛さが特徴。日光に3、4日当てることで一層鮮やかな色になるという。

 長さ10~15センチ、重さ15グラムほど。一般的なトウガラシの2、3倍で、先が曲がっていることから「泥鰌(どじょう)唐辛子」とも呼ばれる。約20年前に地域の固有種と分かり、NPO法人「てっちりこ」が特産化を進めてきた。

 現在は契約農家24戸が栽培。8月中旬~11月末の収穫に合わせて案内所に持ち込まれたトウガラシは、NPOのメンバーが好天の日を選んで秋の陽光にたっぷりとさらす。乾燥後は袋詰めや一味、ドレッシングなどに加工して案内所や町内外の道の駅で販売する。

 今年は約3トンの収穫を見込んでおり、天日干しは12月上旬まで続く見通し。てっちりこメンバーで生産者の梅本治子さん(73)は「豊作で実も大きい。これからの寒い時期、温かい鍋や汁物にぴったり」と話している。

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