栃木国体 空手道成年男子形 パワーが備わった成長著しい西山走が連覇達成 【大分県】

第77回国民体育大会(栃木国体)

空手道 成年男子形

10月3日 栃木県立県南体育館

決勝 西山走28.06-26.60本龍二(栃木)

世界を見据える西山走(大分市消防局)が国体連覇を達成した―。栃木国体の成年男子形で西山は決勝までの2試合で26点台の高得点をたたき出すと、決勝では本龍二(栃木)と対戦し、2番目に得意の形「パープーレン」で今大会最高得点となる28.06で頂点に立った。「(決勝進出を懸けた)ラウンド2で得意のスーパーリンペイを使ったが、どの技でも勝てるようにしたかった。細かいところはまだまだだが、気持ちよくできた」と振り返った。

西山は形を極めようと佐藤重徳師範が指導する大分市に移り住んで7年目。「体の使い方や目指す形を体現できるようになった」と持ち味のキレとスピードに加え、肉体改造を施し増量したことで力強さが備わった。見えない周囲の敵との戦いを想定して技を打ち込む形だが、「本気で相手を倒す気持ちでいる」と「リアル」を求めて技を磨いた。

安定した演武で勝ち抜いた

大会前に佐藤師範から「足の裏からパワーを出せ」と助言をもらった。「足の裏にしっかり体重を乗せることで拳先までパワーが伝わった」と西山。決勝を含めた3試合の演武で力強く蹴りや突きを打つことができたという。大会では西山と同じく日本代表選手が出場していたが、安定感が際立ち、ライバルに打ち勝った。

世界チャンピオンを目指す西山にとって国体連覇は通過点に過ぎないが、「国際大会であっても、国内の大会であっても出場するからにはベストを尽くして優勝を狙う」と貪欲だ。当面の目標は、12月の全日本選手権での初優勝、そしてアジア選手権への出場だ。「今までとやることは変わらない。相手を倒す技を突き詰める。それが全て」と、見えない敵との戦いはこれからも続く。

世界チャンピオンを目指す

(柚野真也)

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