4人の“子狐”デビュー 14、15日「竹ン芸」 長崎・若宮稲荷神社

長崎市伊良林2丁目の若宮稲荷神社で14、15日、「竹ン芸」が3年ぶりに奉納される。「子狐(こぎつね)」として初めて演技する4人の子どもたちも本番に向けて練習を重ねている=若宮稲荷神社

 長崎市伊良林2丁目の若宮稲荷神社で14、15日、3年ぶりに奉納される国選択無形民俗文化財「竹ン芸」で、4人の子どもが「子(こ)狐(ぎつね)」としてデビューする。それぞれ待望の初演技にやる気たっぷりだ。
 竹ン芸では、男狐(おぎつね)や女狐(めぎつね)の面を着けた男性らが高さ10メートル以上の青竹の上で曲芸を披露。子どもたちも子狐に扮(ふん)し演技する。子狐8人のうち4人が初出演で、練習に励んでいる。
 最年少の三浦爽空(さく)ちゃん(4)=若宮保育園=は、父や兄が竹に登る姿を見て、物心ついた頃には竹ン芸に夢中に。練習でも竹の上からにこにこと母優麿さん(27)に手を振る。「竹に登ってぱっと足を広げる技をやりたい」

今年デビューする三浦爽空ちゃん(左手前)、山中敬仁郎ちゃん(右手前)、牧島実生君(左奥)、輝君の4人=長崎市、若宮稲荷神社

 山中敬仁郎(けいじろう)ちゃん(5)=つばさ保育園=は2歳の時に竹ン芸を見た。母玲梨さん(36)は「自分もやるものだと当たり前に思っている」とほほ笑む。新型コロナ禍で2年連続中止だったため、今年が念願のデビュー。練習を終え「ずっとやりたかった。楽しい」と満足げに話す。
 市立伊良林小3年の牧島実生(みお)君(9)と、弟で2年の輝(ひかる)君(7)は今年9月に開かれた長崎郷土芸能大会をきっかけに竹ン芸のとりこになった。練習では、2人ともするすると竹の一番上まで危なげなく登り、ユーチューブで覚えた技も決めてみせた。
 母小夏さん(37)は「こんなことが得意なんだと意外な一面を見た」と驚いた様子。実生君は「やりたい技がいっぱいある。(技の)逆上がりを一番やりたい」、輝君は「大人の演技はかっこいい。もっといろんな技を練習したい」と笑顔で話した。
 奉納は14日午後2時と8時、15日の正午、午後3時、8時の計5回。子狐は1回の奉納につき3人ずつ演技する。


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