紅葉の名所「刈込池」へ通じる唯一の県道が通行止め 土砂崩れで解除めど立たず、福井県大野市

刈込池に通じる県道の通行止めを知らせる看板=10月12日、福井県大野市西勝原
県道上小池勝原線(福井県)の通行止め区間

 福井県大野市の紅葉の名所「刈込池」に通じる唯一の道路、県道上小池勝原線の一部が10月13日現在、土砂崩れの影響で通行止めになっている。県道を管理する県奥越土木事務所は仮復旧に向けた工事を急いでいるが、解除のめどは立っていない。

 県奥越農林総合事務所などによると、土砂崩れは6日夜~7日朝に同市上打波の県道そばで発生し高さ約250メートル、幅約150メートルが崩れた。県道にも土砂の一部が流入し約30メートルにわたって土砂でふさがれた。

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 県奥越土木事務所は、7日午前11時半から同市上小池から上打波(鳩ケ湯)までの7.7キロを通行止めとし、県道と国道158号との交差点など2カ所に通行止めを知らせる看板を設置。11日から路上の土砂撤去や防護柵設置など仮復旧に向けた工事を始めた。ただ、紅葉を楽しみにする市民から道路状況の問い合わせもあり、仮復旧の工事終了後に土砂崩れが再発しないことを確認でき次第、日中の片側交互通行を許可する予定という。解除は国道158号の電光掲示板や県道沿いの看板、市ホームページなどで知らせる。

 同事務所管理用地課の谷口雅弘課長は「通行止めが解除になってもあくまで仮復旧。道路情報を事前に確認し、落石や混雑などによる事故には十分注意してほしい」と呼び掛けている。

 刈込池は願教寺山のふもと、標高約1100メートル付近にありブナの原生林が池を囲む。紅葉シーズンには赤や黄色に色づいたモミジやミズナラが鏡のような水面に映り込み約1万人の観光客が訪れる。

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