野村農相が15日諫干視察 「基金による和解」方針変わらず

 野村哲郎農相は14日の閣議後会見で、15日に長崎県と佐賀県を訪れ、国営諫早湾干拓事業の営農状況などを視察すると正式発表した。
 野村農相は「両県関係者の間にあるさまざまな意見を直接うかがいたい」とする一方、「開門によらない基金による和解が問題解決の最良の方策という方針を歴代大臣として聞いており、そのことを現地でも申し上げたい」と説明。「一貫して農水省の考え方は変わっていない」と述べた。
 野村農相が諫早湾干拓の現地を視察するのは8月の就任後初めて。15日午前は中央干拓地などを視察し、諫早市内で大石賢吾知事ら地元関係者と意見交換。同日午後には佐賀県を訪れ、山口祥義知事らと意見を交わすほか、開門を求める訴訟の原告漁業者や弁護団とも面会する予定。
 開門を国に命じた確定判決を巡る請求異議訴訟の差し戻し審で、福岡高裁は3月、開門確定判決を「無効化」させる判断を下し、漁業者側は不服として、上告している。


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