尺八の音楽療法「現場で使える」 リブウェル倶楽部で医師紹介

尺八を演奏する岸本さん

 シニア世代に多様な生き方を提案する「LIVE(リブ) WELL(ウェル)倶楽部」(山陽新聞社主催)の第7回セミナーが15日、岡山市北区柳町の同社さん太ホールであった。尺八を使った音楽療法を手がける県健康づくり財団付属診療所副所長の岸本寿男さん(68)=倉敷市=が、その効果などを紹介した。

 岸本さんは13歳から尺八を始め、医師として働きながらホスピスや病院でコンサートを開催。演奏を聞いた植物状態の患者が涙を流したり、寝たきりの人が急に手拍子を打ち始めたりした経験から「認知症などの病気の完治はできないが、予防や機能低下を遅らせることは可能。医療現場で使えると実感した」と話した。

 ストレス緩和にも役立つとし、悲しい時は悲しい曲を、怒っている時は激しい曲を選ぶよう提案。「気持ちを代弁してくれるような音楽によって気分が落ち着く。上手に使い分けて」と呼びかけた。

 「アメージング・グレース」やオリジナル曲の生演奏も披露した。

 会員約80人が聴講。同倶楽部の第8回セミナーは11月15日を予定している。

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