表町商店街 点字ブロック設置実験 岡山市開始、安全性の確保探る

点字ブロック設置に向けた社会実験の準備作業に当たる市職員

 岡山市は17日、市中心部の表町商店街で視覚障害者のための点字ブロック設置に向けた初の社会実験をスタートさせた。11月13日までの約1カ月間実施して通常時とイベント時の課題を洗い出し、視覚障害者の安全性が確保された効果的な設置方法を探る。

 社会実験を行うのは中之町―下之町の計約360メートル区間。通路(市道)中央に視覚障害者が安全に通行できる幅(点字ブロック30センチ、その両側に各60センチ)をテープで示し、荷さばき車両がその幅を妨げることなく通行できるかなどを確認する。

 11月3~5日に予定されている商店街恒例の大売り出し「大誓文払い」では、日用品を格安販売するワゴンやグルメ屋台が点字ブロックをふさいでも、誘導員が安全に視覚障害者を案内できるかも検証する。

 17日は、市職員6人が点字ブロック設置予定箇所に黄色、その両側に緑色のテープを貼ったり、社会実験を知らせる看板を設置したりした。日々の通勤で通るという全盲の男性(57)=玉野市=は「自転車や商品にぶつかることもよくあっただけに、点字ブロックが設置されればありがたい」と期待する。

 市によると、市中心部の商店街には点字ブロックがない。表町については2年ほど前に視覚障害者団体などから要望があり、市や商店街で協議を重ねていたという。

 市は結果を踏まえ、来年度以降の設置を検討している。市道路計画課は「商店街のにぎわいを損なうことなく、視覚障害者も安全に通行できるためにどんな工夫が必要かを見極めるため、利用者には協力をお願いしたい」としている。

© 株式会社山陽新聞社