高校生が開発「食べられるストロー」JTBと商品化検討 武生高校の4人、試作は失敗の連続

福井県産米粉を使った「My米ストロー」の研究を続ける武生高校の生徒4人=福井県越前市の同校

 福井県立武生高校(越前市)の3年生4人が、県産米粉を使った「食べられるストロー」を開発した。旅行大手JTBが2024年春の北陸新幹線県内延伸に合わせ、このストローをセットにした駅弁の販売を検討しており、4人は「実現したらすごい」と大興奮。「ごみを減らし、農業振興にもつながる。私たちの思いが詰まっている」と改良を続けている。

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 4人は同じクラスだった2年生の時、年間を通じて一つのテーマを掘り下げる課題研究で、米粉ストローの開発に挑んだ。授業の一環で越前市職員の話を聞き、担い手の減少など農業を巡る厳しい現状を知り、県産米粉を活用するアイデアが浮かんだという。

 試作は失敗の連続で、卵やナガイモをつなぎに使ってもうまくいかず、最終的に米粉と水だけの生地が最も丈夫だった。生地を厚さ2ミリに伸ばし、棒に巻いて形を整える。電子レンジで数回に分けて温めるのがポイントで、「温めすぎるとひびが入る。固さの見極めが難しい」という。

 3年生になり、クラスが分かれても研究を続け、6~8月に県内で開かれた「第2回全国高校生プレゼン甲子園」にエントリーした。「My米(まい)ストロー」と名付けて開発過程や意義をアピールし、大会スポンサーのJTB賞を受賞した。同社福井支店が商品化の可能性を具体的に検討することになった。

 同支店は、北陸新幹線県内延伸に合わせて県産食材を集めた駅弁と飲み物、米粉ストローとをセットにして販売を計画。現在は米粉ストローを大量生産できる事業者を探っている。担当者は「原価は高いものの付加価値がある。値段が少し上がっても消費者に理解されるのでは」とみる。

 ストローは使用後にみそ汁に入れたり、おかきにしたりして食べられる。生徒4人は今後、甘みや塩味を加え「おいしさ」を追求する実験にも取り組む。生徒の一人は「受験があるけど開発も精いっぱい楽しみたい」と意気込んでいる。

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