越前たけふ駅を公開、駅舎に越前和紙や越前箪笥の技 福井県で唯一の北陸新幹線新設駅

越前和紙の照明を取り入れた北陸新幹線越前たけふ駅のコンコース天井。流し漉きの技法をイメージした波状のデザインとなっている=10月17日、福井県越前市大屋町

 2024年春に開業する北陸新幹線越前たけふ駅(福井県越前市大屋町)の建築工事が完了し10月17日、越前市議会の視察に合わせて報道機関に公開された。1階コンコースの天井には越前和紙の照明を取り入れ、波状のデザインで和紙の製作技法「流し漉き」のイメージを表現。駅舎には、丹南地域に産地を持つ多くの伝統工芸の魅力がちりばめられ、1年半後に乗降客を迎える準備が整いつつある。

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 デザインコンセプトは「伝統・文化を未来につなぐシンボルとしての駅」。1階待合室の壁面には高さ4.5メートル、幅10メートルの越前和紙を屏風状に飾り、「まるで美術館」(建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構)のような空間を演出。コンコースの柱には、越前箪笥の指し物のパネル、越前漆器の漆塗りや越前打刃物の刃紋を模した意匠をあしらった。

 越前たけふ駅は県内で唯一、JRの既存駅に併設しない新設駅。建築工事は20年11月に着手し、今年9月末に完了した。駅舎部分の建築面積は約2600平方メートル。外観は、越前市に飛来するコウノトリが翼を広げた姿をイメージしている。

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