優雅な舞や棒術で魅了 5年ぶり「荻田浮立」奉納 平戸・田平

5年ぶりに奉納された荻田浮立の鳴り物に合わせた舞踊=平戸市、三柱神社

 長崎県平戸市田平町荻田地区の伝統芸能「荻田浮立」が11日、同町の三柱神社境内で5年ぶりに奉納された。
 荻田浮立は、娯楽が少なかった同地区で、有志が現在の松浦市や佐賀県伊万里市などの芸能を見て回ってまとめ、1850(嘉永3)年ごろに始まったとされる。
 笛や太鼓などの鳴り物に合わせた舞踊と獅子舞、勇壮な棒術など多様な演目があり、3年に1度、同神社の御願成就の日(10月11日)に奉納する。2020年が本来の奉納の年だったが、新型コロナウイルスの影響でずれ込んだ。
 浮立奉納には本来、80人超が必要だが少子高齢化、コロナ禍で人員確保が難しく、同浮立保存会(太田正喜会長)が地区内だけでなく田平町内全域に協力を要請。約50人の出演者で奉納した。
 太田会長は「来年の通常奉納まで6年も間が空くと、継承や奉納ができなくなるかもしれないと思い、地域、町内の皆さんにお願いした。協力に感謝します」とあいさつ。境内に集まった住民らは優雅な舞踊と棒術の激しい立ち回りに盛んな拍手を送った。


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