栃木県民手帳 初の値上げ 来月発売の23年版 経費高騰が影響

販売価格が1割値上げされる2023年版の県民手帳

 栃木県統計協会は18日、11月1日発売する2023年版の県民手帳の販売価格を22年版から1割値上げし、605円にすると発表した。紙代や印刷費の高騰を受けた対応で、消費増税以外を理由とした値上げは記録が残る1993年版以降で初めてという。

 県民手帳は同協会が1963年版から発行。手帳機能のほか、本県の各種統計資料や生活相談窓口、防災情報などを掲載している。2022年版までは550円で販売していた。

 県内書店で毎年ベストセラー入りする一方、スマートフォンの普及などにより販売部数は減少傾向に。22年版の販売冊数は2万104冊で、21年版から約1700冊減った。売り上げ減の影響で、同協会の単年度収支は5年連続で赤字となっているという。

 同協会の担当者は「さまざまな工夫をしてきたが経費高騰の影響もあり、値上げせざるを得なくなった」と説明。「それでも一般的な手帳に比べたら安い価格設定なので、活用して本県の魅力を再発見してもらえたら」と呼びかけている。

 手帳の提示で特典を受けられる施設に、とちぎ花センター(栃木市)、県なかがわ水遊園(大田原市)が加わった。県内の書店やホームセンターの一部などで販売する。

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