吉野瀬川ダム、巨岩を崖下に落とし標高230mまで切り開く建設現場 福井県越前市

吉野瀬川ダム建設のためV字に切り開かれた山肌。左奥には越前市の市街地が見える=福井県越前市広瀬町

 福井県越前市広瀬町の吉野瀬川上流部。県担当者の先導で吉野瀬川ダムの建設現場に入った。最も高いところでは標高230メートルの位置まで両岸が切り開かれ、中腹辺りでは重機が大きな岩を崖下に落としている。2025年度の完成に向け作業は進む。

 吉野瀬川流域は洪水被害が度々発生していた。ダムは70年に一度発生する規模の大雨時に、日野川合流地手前の市街地の流量を毎秒500立方メートルから390立方メートルまで減少させる。渇水被害の軽減も図る。

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 ダムの湖底になる地点に立ち、両岸を見上げると、重機が巧みに土砂やもろい岩を取り除いていた。ダム本体を硬い岩盤の上に建設するための基礎掘削だ。ロープで固定された作業員は、碁盤の目のように区画された枠にモルタルを吹き付け、両岸の浸食や風化を防ぐ保護工事に汗を流す。

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