冬支度 後楽園で「こも巻き」 害虫から松守る伝統の駆除法

松の幹にこもを巻く造園業者

 岡山市の後楽園で19日、害虫から松を守る伝統的な駆除法「松のこも巻き」が行われ、園内は一足早く冬支度を整えた。

 越冬のため害虫が松の枝葉から地中に下りる習性を利用し、わらで編んで幹に巻いたこもに虫を誘導する。造園業者11人がアカマツやクロマツ約240本に幅約50センチ、長さ約1.7メートルのこもを巻き付けて縄で縛った。

 秋晴れの下、風物詩を見ようと朝から訪れた来場者が“衣替え”の様子を撮影。毎年来ているという女性(75)=同市南区=は「こも巻きを見ると季節の移ろいを実感する。天気も良くいい写真が撮れた」と満足そうに話した。

 こもは、害虫が再び動き出すとされる二十四節気の一つ「啓蟄(けいちつ)」(来年3月6日)までに外し、園内で焼く。

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