福井の里山に移転オープンしたレストランシェフの挑戦 「MarPe」風土を味わえる“ここだけ”の料理を

今年6月に移転オープンしたレストラン「MarPe」とオーナーシェフの谷橋洋平さん=福井県越前町陶の谷

 今年6月に福井県越前町陶の谷に移転オープンしたレストラン「MarPe(マーペ)」(谷橋洋平オーナーシェフ)は、地元の里山の風土や空気感を味わってもらえる料理の創造と提案へ、福井県のふるさと納税型クラウドファンディング(CF)を活用し、10月末まで支援を募っている。寄せられたお金は、業務用冷蔵庫など厨房設備の購入費や店舗整備費に充てる。

 MarPeでは「里山キュイジーヌ」をコンセプトに、谷橋さん自身が採取したキノコをはじめ、地元食材をふんだんに使った創作料理を提供している。2019年11月に同県越前市内で開業したが、越前町と鯖江市にまたがる三床山に近く、店内から季節ごとに色を変える里山の景色が楽しめる陶の谷に魅力を感じて移転を決めた。

 平屋の一軒家の店は約100平方メートルの広さだが、庭は約860平方メートルもある。谷橋さんによると、この庭で季節の野菜や果物をつくることも可能で「遠くから運ばれてくる食材は時間や送料がかかり、鮮度も落ちる。地場産や自家栽培の食材を使ったここにしかない料理を提供し、県内外の人たちに福井の風土をアピールしていきたい」と力を込める。

 目標額は50万円、寄付はCFサイト「レディーフォー」から。福井県へのふるさと納税として扱われ、寄付額のうち2千円を除く金額が税控除の対象となるため、自己負担2千円でプロジェクトの後押しができる。所得に応じて控除額に上限がある。返礼品に同レストランの食事会チケットを用意している。MarPeは火、水曜のみ営業。

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