ウインターカップ県予選特集 バスケットボール男子(4) 強度の高い守備からトランジションゲームに持ち込む日田 【大分県】

県高校総体では2019年以来のベスト4に返り咲いた日田。「オフェンスは能力、ディフェンスは努力」を信条とする三ツ広荘規監督は、大会後の選手たちに「努力が能力を上回った」と話したという。ただ、飛び抜けた能力を持つ選手がいない分、努力なくしては勝てないということを改めて実感した大会にもなったようだ。

長い指導歴があり、強豪校に育て上げてきた三ツ広監督が掲げ続けているのは「強度の高いディフェンスから展開するトランジションバスケ」。近年は留学生の高さに苦戦する試合が続いているため、「リング下のポジション取りが、うちの生命線であり課題」(三ツ広監督)となる。敵陣コートでターンオーバー(シュートミス以外で攻守が入れ替わること)、ファースト・セカンドブレイクで得点を狙う。攻撃と一体となった守備を展開するため、走力や体力のみならず、練習でも試合を想定したメニューを取り入れ、高さを武器とするチームとの練習試合を重ねた。

「県高校総体の結果におごらず、努力を続けなければならない。公立高校の意地を見せたい」と三ツ広監督は選手たちの奮起をうながす。努力が報われることを実感した選手たちはその成功体験を力に代えて、全員バスケで県高校総体を上回る成績を目指す。

目標はベスト4以上の成績を残すこと

戦力分析

オフェンス力…7点

ディフェンス力…9点

リバウンド力…7点

シュート力…6点

3点シュート力…6点

高さ…6点

(10点満点)

3年生の半数が引退したチームの要となるのは、新キャプテンの渡辺天斗(2年)。気持ちの強さで発揮する攻めの姿勢でゲームを展開する。また、梶原成陽(同)はシューターとしての期待値が高い。

オフェンス力は低めの評価だが、その分、「簡単に打たせないディフェンス」で相手を封じる。個人技の高い相手に対して、1対1で守り切れない場面でも、カバー力を発揮して全員で守り抜く。「まだ伸びしろはある」と三ツ広監督。大会ギリギリまで厳しい練習で調整を重ねて、シュートチャンスをつくらせないディフェンスを確立する。

派手なプレーこそないが、堅実な守備からの速攻が武器となる。三ツ広監督が「ファーストブレイクからの得点が決まり始めると、チームもリズムに乗れる」というように、勢いに乗れば連続得点も十分に狙える。「3年生が残してくれた県ベスト4という成績に恥じない結果を残したい」と話す渡辺の言葉にもあるように、先輩のため、チームのため、そして自分自身が納得できる試合にするために、全力で戦い抜く。

強度の高い守備が勝利のカギとなる

(黒木ゆか)

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