つらい生理や更年期、悩む女性が働きやすい職場へ 就業率全国2位の福井県から「フェムテック」イベント

女性の健康課題への理解を促進するプロジェクトを立ち上げた小口彩子さん=福井県高浜町の高浜公民館

 女性の健康課題への理解促進や企業のヘルスリテラシー向上に取り組むプロジェクトを、福井県高浜町の女性が中心となり立ち上げた。アンケートやワークショップを実施して生理や妊娠、更年期などの体調変化と働き方の課題を深掘りし、来年2月にオンラインサミットを開く方針。県のふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で、10月31日まで事業費を募っている。

 女性は、一般社団法人日本フェムテック協会幹事で、社会保険労務士として県内で約20年間働き方の問題に携わってきた高浜町在住の小口彩子さん(52)。2020年の国勢調査によると、県内の女性就業率は55.6%で全国2位、共働き率は61.2%で1位。半面、女性の管理職比率は13.45%、41位と低い。共働きでゆとりの時間が少ない傾向にあり、「女性活躍を推進する環境づくりに対する意識はまだまだ低い」と小口さんは指摘する。福井県を中心に、ほかの地域も巻き込んで課題解決を目指す。

 アンケートやワークショップでさまざまな意見や実例を調査し、ヘルスリテラシーについての研修や先進的な取り組みを共有する会合など、企業向けの催しも実施する予定。効果を全国的に波及させるため、各地でプロジェクトを推進する役割を担う「プロデューサー」を募る。来年2月19日には、東京と福井の会場をつないでオンラインサミットを開き、集めた意見を踏まえ次の取り組みに向けた提言を行う。

 小口さんは「女性の健康課題は労働損失につながる経済問題。まずは課題を知ってもらい、行動に移す輪を広げていきたい」と話している。

⇒【寄付はこちら】フェムテックの力で福井から日本の職場をアップデート

 CFは5千円~50万円の11コース。リターンとしてアンケート協力やサミット参加などいずれかの形でプロジェクトを支援でき、企業向けのコースも用意している。目標金額は100万円。寄付はCFサイト「レディーフォー」から。

 幅広く問題意識を持ってもらうため、CF期間中の平日午後12時半~同1時に無料のランチタイムセミナーを開いている。慶應義塾大特任准教授の若新雄純氏や企業経営者らが日替わりで女性活躍や働き方などについて語る。詳細はCFサイトで。

© 株式会社福井新聞社