南北朝時代の優雅な船遊び再現 福井県敦賀市の金崎宮神事「御船遊管絃祭」3年ぶり開催【若越画報】

秋晴れの空の下、舞を奉納する白拍子=10月20日、福井県敦賀市金ケ崎緑地

 南北朝時代の優雅な船遊びを再現した福井県敦賀市の金崎宮の神事「御船遊管絃祭(おふなあそびかんげんさい)」が10月20日、敦賀港などで営まれた。秋晴れの下、立烏帽子(たてえぼし)や太刀で男装した女性「白拍子(しらびょうし)」が舞を奉納した。

 1336年、新田義貞が金ケ崎城に陣取り、尊良(たかなが)親王と恒良(つねなが)親王を奉じて足利軍と戦った。神事は足利の兵がいったん引いた10月20日、両親王を慰めようと、敦賀湾に船を浮かべ紅葉と月を愛でた故事に由来する。1893年、同宮の建立と同時に始まったが戦時中に中断。1990年に再開された。コロナ禍で2年連続で中止しており3年ぶりの開催となった。

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 午後1時ごろ、両親王の分霊を移した唐櫃(からひつ)が金崎宮を出発。敦賀港天満岸壁から、吹き流しや旗などで飾られた御座船に乗り敦賀湾を一巡した。

 御座船が停泊した金ケ崎緑地では白拍子が雅楽に合わせて舞を奉納。訪れた市民らが見入っていた。田村典男宮司は「天候に恵まれ、神様に喜んでもらえたと思う」と話していた。

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