特殊詐欺の未然防止につなげようと、備前緑陽高(備前市西片上)美術部の生徒が備前署などと連携し、還付金詐欺など6種類の手口を描いた4こま漫画を制作し、冊子にした。巧妙な口車に乗せられて被害に遭う様子を迫真のイラストや簡単なせりふで表現し、注意を呼びかけている。
冊子はA5判9ページ。保険料返還などをうたう「還付金詐欺」▽有料サイト利用料などの名目でだます「架空請求詐欺」▽電話で親族を装って現金を要求する「オレオレ詐欺」―といった六つの手口で、犯人と被害者のやりとりを記した漫画と対策法を、それぞれ1ページにまとめた。同署が監修している。
オレオレ詐欺編の漫画では、高齢女性が息子をかたる男性にだまされるシーンを描写。「母さんオレだけど。(中略)新しい携帯に変えたんだ」と犯人が巧みに近づく姿や、現金受け取り役の「受け子」が友人と称して回収する場面を分かりやすく伝えている。そばには、「常に留守番設定」などと具体的な対策も書かれている。
美術部の生徒約20人が昨冬から作画に取り組んできた。14日、同署でお披露目式があり、関孝宏署長や備前防犯連合会のメンバーらに発表。部長の2年豊田南さん(16)は「どの年代でも読んでもらえるようなイラストを心がけた。被害を防ぐお役に立てたら」と話していた。
千部作製。同署が街頭啓発活動などで住民らに配るほか、管内(備前市、和気町)の金融機関に置くという。冊子の内容を動画にした映像も編集し、県警の公式ユーチューブチャンネルで公開している。