全国高校サッカー選手権 長崎県大会開幕 出場32校が激戦

トーナメント図

 サッカーの第101回全国高校選手権長崎県大会は22日開幕し、出場32校が1枚の全国切符を懸けて争う。負けたら終わりのトーナメント戦を勝ち抜き、冬の「国立行き」を決めるのはどのチームになるのか。今年も激戦が予想される。
 1回戦8試合を22日、2回戦8試合を23日に行う。29日の3回戦8試合にシード8校が登場。30日に準々決勝、11月5日に準決勝を実施する。決勝は同13日午後0時40分から、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で開催する。
 長崎総合科学大付は第91回大会の初制覇以来、前回までの10年間で優勝8回を誇る。第94回大会は長崎南山、第99回大会は創成館がいずれも初優勝を果たした。国見は第89回、長崎日大は第90回大会以来の悲願達成を狙う。
 6月の県高総体決勝は長総大付が国見を1-0で下して2年連続で優勝した。準決勝は国見-長崎日大が2-1、長総大付-創成館が1-0と上位は接戦だった。
 今大会の優勝校は12月28日に東京・国立競技場で開幕する全国高校選手権の出場権を得る。前回の長崎県代表・長総大付は3回戦まで進出している。

前回(第100回大会)決勝は長総大付が創成館に2-0で競り勝って2年ぶりに優勝した=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

◎「4強プラス1」のV争いか 長総大付/国見/創成館/長崎日大/海星

 1月の県高校新人大会、6月の県高総体ともに長崎総合科学大付、国見、創成館、長崎日大が4強に名を連ねた。県リーグ1部で現在3位の海星を加えた5校が優勝争いの軸になりそうだ。
 長総大付は前回の全国大会期間中に小嶺前監督が死去。それでも名将のスタイルを引き継いで県内トップの力を維持している。今夏のインターハイは優勝した前橋育英(群馬)に善戦。全国で戦える地力を改めて証明した。主将のMF竹田は絶対的存在。前回の選手権を経験したメンバーも多数残る。
 国見は昨年2月の全九州新人大会優勝メンバーが3年生になった。元世代別日本代表候補のMF北村を筆頭に、MF川添、FW利根ら実力者が並ぶ。県高総体決勝は長総大付に0-1と惜敗しているだけに「勝負の年」のラストチャンスをものにしたい。
 近年、トーナメント戦で勝負強さが備わってきたのは創成館だ。元V・ファーレン長崎DFの久留監督が組織的な守備を浸透させ、どんな相手でも接戦に持ち込める手堅さがある。第99回大会で全国舞台を経験したFW波多野が復調傾向にあるのが頼もしい。
 技巧派ぞろいの長崎日大が例年とひと味違うのは、パスワークに優れるだけでなく、ゴールに向かう意識が高い点。今季の県リーグ1部で長総大付と1勝1分けの成績を収めているのもうなずける。11年ぶりの冬舞台が現実味を帯びている。
 順当ならば、その長崎日大と準々決勝で顔を合わせるのが海星。今村監督が「うちは頑張るチーム」と自負する通りに、主将のMF橋本、FW馬氷ら3年生が、有望な下級生をリードしながら良くまとまっている。
 今季は県高総体8強、県リーグ2部Bでも首位を独走している九州文化学園はダークホース的存在。上位常連の長崎南山や国見と同じパートに入り、波乱含みとなっている。公立普通校の長崎西と大村は県高総体8強。伝統校の鎮西学院、諫早商なども有力候補に挙げられる。

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