沖縄の琉球民謡コンクールで福井の中学1年生が新人賞 小1の頃にテレビ見て志し、本土出身で異例の快挙

琉球民謡協会主催の民謡コンクールで新人賞に合格した石塚蓮音さん=福井県福井市内

 琉球民謡に取り組む福井県坂井市丸岡南中学校1年の石塚蓮音(れお)さん(12)が、このほど沖縄県うるま市で開かれた琉球民謡協会主催の第39回民謡コンクールで新人賞に合格した。協会事務局によると、本土の学生の新人賞合格はほとんど例がないという。石塚さんは「来年のコンクールでは優秀賞を取りたい」と、さらなる向上を目指す。

 石塚さんは小学1年の時、テレビで俳優の桐谷健太さんが弾き語りしているの見て「自分も三線を弾いて民謡を歌えるようになりたい」と思ったという。その後、三線の愛好家が集う福井市日之出公民館に通い、琉球民謡に没頭していった。

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 5年生の時に協会東海支部に入会したものの、新型コロナ禍で自宅での練習を余儀なくされ、昨夏には変声期の影響もあったが、今年6月のコンクール半年前からは同支部師範の港川繁さんから熱心な指導を受けることができた。演奏する動画を送り、アドバイスをもらい技術や表現力を高めた。港川さんは「習い事や部活で忙しい中、頑張っていた。三線が好きだから続けられたのだろう」と話す。

 コンクールでは課題曲の「安波節」を演奏。歌詞や沖縄方言の正しさなどが審査された。少しでも音程が外れるなどした時点で終了となる緊張感の中、何度も練習した自信を胸に重圧をはね返し、見事合格を果たした。石塚さんは「みんなで集まって演奏しているときが一番楽しい。早く公民館で一緒に演奏できるようになれば」と願った。

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