世界を魅了する彫刻と油彩画 現代美術家2人、高梁で同時個展

野田さんが今年発表したステンレス製の空中彫刻「超想」の縮小模型

 ともに国際的に活動する現代美術家の野田正明さん=福山市出身、米ニューヨーク在住=と流麻二果さん=東京都=による個展が、高梁市成羽町下原の市成羽美術館で同時開催されている。瀬戸内国際芸術祭や岡山芸術交流の開催に合わせ、現代アートファンにアピールしようと同美術館が企画した。

 1949年生まれの野田さんは、大阪芸術大を卒業後、77年に渡米。版画、ドローイング、彫刻とさまざまな表現を追求し、作品を生み出してきた。「50年の軌跡―ニューヨークから世界へ―」と題した今展では、渡米前の版画から今年発表された大型彫刻(縮小模型)まで24点を紹介し、その歩みをたどる。

 色を塗り重ねて独特の色彩と質感を表す“色彩の画家”流さんの「その光に色を見る Spectrum of Vivid Moments」は、油彩画33点が並ぶ。過去の女性画家が手がけた作品をモチーフにした「女性作家の色の跡」シリーズの新作をはじめ、多くが今回のために制作された。

 流さんは75年生まれ。父は高松市を拠点に世界的に活躍した彫刻家流政之さん(2018年没)。

 吉尾梨加学芸員(33)は「2人の作品はそれぞれに異なる魅力がある。世界を魅了するアートを楽しんでほしい」と話している。

 いずれも12月18日まで。月曜休館。入館料は一般千円、小学生~大学生500円で、両会場に入れる。問い合わせは同美術館(0866―42―4455)。

流さんによる「女性作家の色の跡」シリーズの新作(右)。左はモチーフにした佐々木香巌「女性像」(1892年、倉敷市立美術館所蔵)

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