大原孫三郎の妻寿恵子にスポット 倉敷で企画展、ゆかりの品20点

会場に並ぶ大原寿恵子ゆかりの品々

 大原美術館(倉敷市中央)を創設した大原孫三郎(1880~1943年)の妻・寿恵子(1883~1930年)にスポットを当てた展覧会が30日まで、同館向かいの交流施設「語らい座大原本邸」(旧大原家住宅、同所)で開かれている。

 寿恵子は、孫三郎が社長を務めた倉敷紡績(現クラボウ)の社員のために設立した保育園「若竹の園」(同所)の初代園長を務めた。アララギ派の歌人としても活動し、46歳の若さで亡くなった。

 会場には歌をしたためた短冊や愛用したかるた、愛読書、入院中に作った短歌を記した手紙といった約20点が並ぶ。長男・總一郎の成長などを詠んだ寿恵子の歌を、大原家と親交のあった板画家棟方志功が板画にして載せた歌集抄(62年)もあり、来場者の目を引いていた。

 年4回開催する企画展の一環。語らい座は「歌人としての姿や家族愛を知る機会になれば」としている。

 午前9時~午後5時。一般500円、高校生以下400円。

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