ファジ 悲願の昇格へ挑戦再び 30日PO1回戦 地元応援を力に

6年ぶり2度目のプレーオフに臨むファジアーノ岡山イレブン=9月4日、シティライトスタジアム

 激戦必至のトーナメントを勝ち抜け―。サッカーJ2で過去最高の3位となったファジアーノ岡山は30日、岡山市のシティライトスタジアムで6位山形とのJ1参入プレーオフ(PO)1回戦を迎える。PO進出は6年ぶり2度目でホーム開催は初めて。J2参戦14年目のチームは地元の応援を力に悲願のJ1昇格へ突き進む。

 新型コロナウイルスの影響で3年ぶり実施のPOは、一発勝負のトーナメントで昇格最後の1枠を争う。1回戦はJ2で3位ファジアーノと6位山形、4位熊本と5位大分が激突し、2回戦の勝者がJ1の16位(未定)と決定戦を行う。

 1、2回戦はリーグ戦の上位チームのホームで戦い、90分間で勝敗が決まらない場合は上位が勝ち上るアドバンテージがある。ファジアーノは2試合いずれも引き分けでも決定戦に進めるが、過去のデータをみると、楽観視はできない。2012年の導入後、POが実施された6年で3位が勝ち上がったのは2度のみ。現行制度で行われた18、19年の直近2年は6位と4位がJ1の16位への挑戦権を得た。決定戦はJ1の16位のホームが会場となり、引き分けならJ1チームの残留となる。

 J2名古屋に所属した17年に3位からPOを経て昇格を果たしたFW永井龍は「最後にJ1と当たるのはシビアだが、J2最上位の自信を持って臨む。チームとしてギアを上げ、目標を達成したい」と意気込む。

 柔軟な采配で昨季11位だったファジアーノを就任1年目で躍進させた木山隆之(たかし)監督は“4度目の正直”を狙う。過去に率いたJ2の千葉、愛媛、山形で3度POに進んだがいずれも敗退しており、「今回こそ必ずJ1に引き上げる」。

 1回戦でぶつかる山形は、23日のリーグ最終戦で徳島に快勝し、PO進出を決めた。ファジアーノは山形に今季2戦2勝で、誤審により無効となった4月の対戦でも白星を収めているが「楽に勝った試合は一度もなかった。死に物狂いでくるであろう相手以上の気持ちでプレーしたい」と主力MF本山遥は必勝を期す。

 リーグ戦6位で初めてPOに進出した16年は決勝で惜敗し、昇格を逃した。「岡山の夢」をかなえる決戦が再び始まる。

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