3歳男児が死亡、24歳母も…何度も切られる 母の兄が殺害認める「悪口を言われた」心神喪失で無罪を主張

母子殺害事件、刃物で複数回切りつける=さいたま市桜区

 2019年12月、埼玉県さいたま市桜区で妹=当時(24)=とおい=同(3)=を包丁で切りつけるなどして殺害したとして、殺人などの罪に問われた、さいたま市桜区道場、無職の男(29)の裁判員裁判の初公判が25日、さいたま地裁(佐々木一夫裁判長)で開かれた。男は「(起訴内容に)相違はありません」と述べ、弁護人は心神喪失で無罪を主張した。

 冒頭陳述で検察側は、おいが2歳になったころから、笑い声や泣き声に男が不満を募らせたと指摘。「次第においから悪口を言われていると思うようになり、妹とおいを殺害した」とした。

 一方弁護側は、おいからの悪口などは思い込みだと説明。男は、精神障害や自閉症スペクトラム症を患っており、事件当時、刑事責任能力があったとは言えないなどとした。

 起訴状などによると、男は19年12月8日午後6時5分ごろ~同6時47分ごろ、同居する妹の頭部や顔、左腕を包丁やナイフで複数回切りつけるなどして殺害し、おいの頭や顔面を包丁で複数回切りつけ、殺害したなどとされる。

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