幻の陸稲「エソジマモチ」おかき完成 宇都宮白楊高生が試食、スーパで販売へ

おかきを試食した宇都宮白楊高の生徒たち

 【宇都宮】江曽島町で生まれ、幻の陸稲とされてきた「エソジマモチ」を使ったおかきが今年も完成し、製造、販売する東原町の田中米菓で25日、エソジマモチを生産した宇都宮白楊(はくよう)高生による試食会が開かれた。11月中旬以降、県内の「スーパーオータニ」でも販売される。

 エソジマモチは明治時代から戦後にかけて県内で広く作られたもち米。都市化の影響などで生産は途絶えたが、同校が江曽島町の農家の協力を得て、わずかな種もみを地元の畑で育て、2016年に復活させた。

 収穫されたエソジマモチは、同校が田中米菓におかきの製造を依頼し、3年前から「エソジマおかき」の名で販売されている。通常より厚めで、硬過ぎない仕上がり。シンプルなしょうゆ味で、米そのものの味や香りを残した。

 今年は約480キロ収穫され、5枚入り(予定価格200~250円)約3千袋の販売が予定されている。

 試食会には同校農業経営科の3年生5人が参加。おかきの製造や袋詰めなどを見学後、出来たてのおかきを試食した。カンポス・アンリさん(17)は「米の味がしっかりしていておいしい。生産者として頑張ったかいがありました」と笑顔を見せた。同社の田中宏幸(たなかひろゆき)社長(56)は「昔ながらの味を再現した。地元ならではの味を県外にも広げたい」と話した。

完成したエソジマおかき

© 株式会社下野新聞社