宇都宮市のごみ施設、再開延期 2月に火災、壁の強度「よもやの懸念」

クリーンパーク茂原

 火災事故で稼働停止中の宇都宮市のごみ焼却施設「クリーンパーク茂原」について、佐藤栄一(さとうえいいち)市長は26日の定例記者会見で「予定していた10月末までの再開は見込めない」とし、11月以降にずれ込むことを明らかにした。火災が起きた「ごみピット」のコンクリート製壁の一部の強度に「懸念される箇所が確認された」ためだという。再開時期の見通しは立っていない。

 市は詳しい調査を専門家に依頼する予定で「11月のなるべく早い時期に調査が終了するように段取りをしている」という。調査の結果次第で、新たな対策が必要になる可能性がある。

 市のごみ焼却能力の7割を占めていた同施設は今年2月、ごみを一時的にため置くごみピットで火災が発生し、ごみを焼却炉に運ぶクレーンなどの設備が損傷した。

 今月下旬の再開を目指し復旧工事を進めていたが、市環境部によると、火災の影響を受けた壁の一部をくりぬいて調べる「コア抜き調査」で、北側の壁の2カ所の強度が懸念されることが21日に判明した。目視調査や打診調査では壁に問題はなかったという。

 佐藤市長は「最後の検査をクリアできれば再開できるというところで、よもやの懸念事項が出てきた。申し訳なく思っている」と述べ、引き続きごみ削減への協力を求めた。

 再開時期について佐藤市長は「(調査で)再開しても大丈夫という結論が出るかもしれないし、1~3カ月かかるかもしれないという予測はしているが、専門家の判断による。やってみないと分からない」と述べ、明言を避けた。

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