東京の「GoToイート」、行動制限を乗り越え2年ぶりに再開 売り切れ懸念の声も

飲食業界の期待を背負って、東京都の「GoToイート」事業が再開されました。新型コロナで影響を受けた飲食店の客足回復に期待がかかる一方、街からは売り切れなどを懸念する声も上がっています。

飲食店の支援策・GoToイートキャンペーンが東京都内で10月26日から再開されました。購入価格の25%を上乗せして利用できるプレミアム付き食事券が2年ぶりに復活です。港区赤坂にある焼き肉店「チョンギワ本館」では客足は徐々に戻りつつあるものの、新型コロナの流行前と比べるとまだ7割から8割程度だということです。ビョン・ソンウ社長は「率直にうれしい。これで経済がもう少し活性化すればという期待感はある」「キャンペーンの効果はかなり大きいと思う。物価も全て上がっているので、プレミアム25%上乗せはうれしいのではないか」と話し、完全復活へ向けGoToイートに期待を寄せ、今回、加盟店になるための申請を出す準備を進めています。ビョン・ソンウ社長は「コロナ前みたいに戻り、活気づいて、おいしく食べて皆さん健康でいればいいですね。今より良ければいいなという感じなので、明らかに今よりは良くなるとは思う」と話しています。

飲食店だけでなく、街でもGoToイートへの期待が高まる一方で、売り切れなどで利用できないのではないかという懸念の声も聞こえます。街で話を聞くと「前回、短い期間だったが使った」「前回は使えたけど、今回どれぐらいやるのかな」「使えるなら行きたい」「ただ、すぐ売り切れてしまうのかな」(20代女性・2人組)、「すぐ売り切れてしまうのはあまり親切ではないと思う。ある程度期限を設けて、人数は関係なく、いついつまでだったら欲しい人はみんな買えるといったようにしてほしい。物価が高いから、どんどんお得なものが出てくれた方がいい」」(60代女性)、「今までできなかったような、友達と一緒に食べに出かけたい。ただ、全国旅行支援では既に制限が始まっているじゃないですか。もう少し制限をなんとかしてもらいたい」などといった意見もありました。

<東京の「GoToイート」再開 本格利用は11月から>

10月26日から販売開始され、2年ぶりに再開された「GoToイート東京キャンペーン」ですが、実は本格的に利用できるのは11月以降です。なかなか複雑な仕組みを、順番に確認していきます。

食事券には「デジタル」と、紙の「アナログ」の2種類があります。そして10月26日から販売再開されたのは8000円の購入で1万円分使える、つまり2000円分の補助が付いた「デジタル食事券」のみです。ただし、デジタル食事券が現在購入できるのは"2年前(2020年)に販売された時の抽選に当選していた人”のみです。新たな食事券の購入は26日から抽選制で申し込みの受け付けが始まり、当落通知が11月8日に、そして当選者が購入できるのは11月9日から16日です。

一方、1万円の購入で1万2500円分、つまり2500円分の補助が付いている紙の「アナログ食事券」は11月10日から販売が再開されます。申し込みはスマートフォンから、またははがきによる2つの方法があり、スマートフォンでの申し込みは各日「先着順」で、はがきは「抽選制」です。スマートフォン・はがき共に引換券の申し込みを行い、引換券を販売店に持って行って購入する必要があります。

デジタル・アナログいずれの食事券も利用期限は2023年1月25日までです。ただし、2年前に購入して使い切れずに手元に残っていた食事券は10月26日から使えます。

<都内自治体も独自の支援~キャッシュレス決済ポイント還元~>

「GoToイート」はお得に食事が楽しめる食事券ですが、東京都内の各自治体では地域内でお得に買い物ができる取り組みも進んでいます。

地域内の店舗でキャッシュレス決済をした場合、支払額の何割かのポイントを還元する取り組みを現在実施しているのが、江東区・青梅市・日野市・東村山市・東久留米市・新島村の6つの自治体です。また、11月以降には文京区や小金井市、瑞穂町など19の自治体が実施を予定しています(繰り返し実施の自治体を含む)。

物価高がのしかかる今、幅広い人たちに届く支援策が求められています。

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