春の高校バレー県予選特集 バレーボール女子(1) 完成形に近づきつつある国東 【大分県】

来月5日から始まる全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)の県予選で、女子は30校が熱戦を繰り広げる。23連覇を目指す東九州龍谷(東龍)が頭一つ抜けているが盤石ではない。他校にも付け入る隙はあり、例年になく接戦が繰り広げられそう。ここでは打倒・東龍に燃えるライバル校を紹介する。

6月の県高校総体で東龍を追い詰めたのが国東だ。第1セットを先取し、互角の戦いを演じた。キャプテンの河野志舞(3年)は「東龍を倒すという目標が明確になったし、みんな自信がついた」と振り返る。

県高校総体後は個人能力を高めることに着目し、練習試合を通してサーブ、レシーブ、スパイク、ブロックなど各項目を数値化し、見える形で成長を促した。10月からは集団技を磨き、大会に向けて完成形に近いところまできている。辻郁徳監督は「ミドルのスパイク決定率が上がり、攻撃の引き出しが増えた」とまずまずの手応えを感じている。

ここからギアを一つ上げ、春の高校バレーモードに切り替える。「攻撃の一工夫とセッターの進化」、「守備の一踏ん張り」を掲げ、細部までチームとしての戦いを植え付ける。エースの川野永里子(同)は、自慢のパンチ力のあるスパイクでチームに勢いをもたらす。「3年間の思いを爆発させたい。一戦一戦、目の前の試合に集中して、打ち負かす。誰にも止められたくない」と意気込みを語った。

 優勝を狙う国東

戦力評価(10段階)

スパイク力 8

サーブレシーブ力 6

レシーブ力 7

サーブ力 8

ブロック力 6

セッターのトスワーク 10

辻監督が4月に赴任して最初に取り組んだのが、コート上の監督となるセッターとのイメージの共有だった。あらゆる状況のシミュレーションをして、攻撃のパターンを構築し、2の手、3の手まで考えるようになったセッターの松浪桃夏(3年)とは以心伝心だ。

強弱をつけたスパイク、多彩なサーブを磨き、引き出しの多さが戦い方の幅を広げている。高さのあるブロックではなく、スパイクをシャットアウトできることは少ないが、勢いを抑え、レシーブにつなげるブロックの形はできている。

選手の素質と能力を最大限に引き出す辻監督の下、選手は日に日に自信をつけ、チームの雰囲気も最高潮に達しつつある。奇跡の予感はある。

集団技を磨き、総合力を高める

(柚野真也)

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