長崎県内不登校 最多2784人 公立小中高22%増、要因複雑化

 長崎県教委と県がまとめた児童生徒の問題行動・不登校調査によると、2021年度、県内公立小中高校の不登校の児童生徒数は2784人で前年度比505人(22.2%)増え、6年連続過去最多を更新した。私立学校でも過去5年で最も多い277人だった。
 県教委児童生徒支援課は、不登校の児童生徒が増え続けていることについて「大変憂慮すべき状況」と認識を示す。コロナ禍によって生活リズムが乱れ不安が増大したことや、「登校だけが目標じゃない」と社会認識が変わってきたことなどが影響しているとみている。
 公私立合わせた内訳は▽小学校749人▽中学校1702人▽高校610人。小中高校が判断した不登校要因は「無気力、不安」が最も多く、公立で40.3%、私立で32.1%だった。
 同課は「不登校の要因も複雑化し、学校だけで取り組める状況ではなくなっている。個々の状況を把握し、社会のあらゆる教育資源を活用しながら関係機関と連携した取り組みを進めたい」としている。
 公立の小中高と特別支援学校のいじめ認知件数は1791件(前年度比247件減)で3年連続減少した。私立小中高のいじめ認知件数は110件(同10件増)。
 いじめの内容(複数回答)は「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が公立で1183件(53.9%)、私立で65件(59.1%)。いじめにより生命や財産に重大な被害が生じたり長期欠席を余儀なくされたりする重大事態は3件(3校)だった。
 公立校では暴力行為の発生件数が増加。中学では生徒間181件、器物損壊59件など計272件(前年度比45件増)。同課は、コロナ禍によるストレスやコミュニケーション不足などから「感情を抑制できず、考えや気持ちをうまく言葉で表現できない子どもや、対人関係を十分に構築できない子どもが増えている」と分析する。私立中高校では、前年度0件だった器物損壊が7件に増えた。


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