長崎県内の大口倒産「倍増12件」 総数27件、過去5年で最多

 東京商工リサーチ長崎支店が発表した2022年度上半期(4~9月)の長崎県内企業倒産状況(負債総額1千万円以上)は、件数が前年同期と同じ27件、負債総額は前年同期比32.1%増の66億1800万円で、共に過去5年間で最多となった。このうち負債額1億円以上の大口倒産は12件と倍増し、長期化する新型コロナウイルスの影響が大きい。
 27件は集計を始めた1971年以降では5番目の低水準だが、負債総額は大口倒産の増加が起因し、16億800万円増加。過去10年間でも2番目に多かった。
 コロナ関連の倒産は18件で、全体の6割以上を占めた。同支店は「元々の業績不振に新型コロナが追い打ちとなり、倒産につながるケースが多い」とした。
 業種別内訳は▽サービス7▽製造6▽建設5▽小売4▽農林水産、運輸各2▽卸売1。地域別では長崎市が最も多い11件。次いで諫早市が4件、佐世保、雲仙両市が各3件の順だった。
 9月単月の倒産件数は5件で、前年同月より半減した。負債総額は6億8300万円。大口倒産が2件発生した影響で、過去5年で最多となった。
 今年1~9月の月平均は4.2件で2015年以降最多で推移。コロナ関連倒産が押し上げている。今後の見通しについて同支店は、全国旅行支援開始や入国者の水際対策緩和、西九州新幹線開業などの明るい話題の一方、ウクライナ情勢や円安を受けた資材、燃料費高騰もあり「倒産は一進一退を繰り返しながら増加傾向で推移する」との見方を示した。


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