伝統の流鏑馬 見事的中 松浦・志佐くんち「来年は豊作間違いなし」

観客が見守る中、疾走する馬上から矢を放つ流鏑馬の射手=松浦市志佐町

 長崎県松浦市志佐町の淀姫神社で26日、例大祭の「志佐くんち」があり、900年以上続く伝統の流鏑馬(やぶさめ)神事が奉納された。的に当たった矢の数で五穀豊穣(ごこくほうじょう)を占い、18本中15本命中。中川明宏宮司は「来年は豊作間違いなし」と笑顔で話した。
 流鏑馬は市無形民俗文化財で、駆ける馬が起こす風に当たると病気にかからず、落ちた矢を拾うと良縁に恵まれるとされる。
 神社前の馬場(約100メートル)に同市調川町の自営業、福田邦光さん(74)と、平戸市生月町の自営業、中村嘉宏さん(53)が烏帽子(えぼし)と狩衣(かりぎぬ)姿で登場。それぞれ3回ずつ馬場の3カ所に設けられた木の的に馬上から矢を射た。
 福田さんは、47年間務めた射手を今回で引退。中川宮司から感謝状が贈られた福田さんは「伝統の流鏑馬を後世に伝えていくため、今後は後継者の養成に尽くしたい」と述べた。
 流鏑馬に先立ち、同くんちでは3年ぶりにみこしが巡幸。従来の3分の1の4キロを練り歩き、祭りを盛り上げた。


© 株式会社長崎新聞社