【しぶマリ図鑑】クリオネ 偏食、繊細な流氷の天使

クリオネ

 北海道沖のオホーツク海に流氷とともに現れることからついた呼び名は「流氷の天使」。2020年にしぶマリが実施した貝類の人気投票「KAI48 選抜総選挙」でも圧倒的得票で“センターポジション”を射止めたアイドル的存在だ。

 巻き貝の一種で、学名は「ハダカカメガイ」。殻を持たず、半透明のピンク色の体に生えた一対の翼足をはためかせて泳ぐ。餌を食べる時には頭頂部にある口から6本の触手を伸ばして捕食するどう猛な一面も持つ。

 主食として知られるのは、同じ貝の仲間のミジンウキマイマイのみと“偏食”。緩やかな水流がある水温5度以下の環境でなければ生きられないという繊細さはいかにも天使らしい。しぶマリでは20年ほど前から飼育しているが、当初は小型冷蔵庫の中に水槽を入れて展示するなど工夫を重ねていたという。

 実は泳ぎはあまり得意ではなく、「頑張って翼足をぱたぱたしたり、でも水流に負けてふらーっと落ちたりしているところがとてもかわいらしい」と源愛実飼育員は話す。

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 岡山県内唯一の水族館、玉野海洋博物館(愛称・渋川マリン水族館=しぶマリ)で飼育展示している生き物を紹介する。

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