新しい烏城の魅力 子どもら満喫 歴史学者磯田さん招きツアー

岡山城の復元模型を囲み、磯田さん(左)の説明を聞く子どもたち

 岡山城(岡山市北区丸の内)のリニューアルオープン(11月3日)を前に29日、天守閣の展示を監修した市出身の歴史学者磯田道史さん(51)による子どもツアーがあった。地域の子どもたちに新しい烏城の魅力を真っ先に伝えたいという磯田さんの発案で実現し、市内を中心とした小中学生68人が一足早く「入城」した。

 全面刷新された天守閣内を巡った。城郭の復元模型がある地下1階では、磯田さんが城の屋根に見られる鯱(しゃちほこ)には火よけの守り神の役目があることを説明。異名「金烏城」の由来ともなった金箔(きんぱく)瓦については「織田信長や豊臣秀吉も金箔を使った。お金を持っていることを見せつけ『戦いを挑んでも無駄だ』と周囲に思わせようとしたのだろう」と述べた。

 子どもたちは関ケ原の戦いの再現映像を投影するシアターや刀の重さを実感する体験型の展示も楽しんだ。岡山市立津島小6年男子(12)は「シアターは本格的だし、関ケ原の戦いに岡山の武将が関係していたと知って驚いた。オープンしたら友達と一緒に来たい」と話した。

 ツアーは岡山市などでつくる実行委が主催した。岡山城では3日からの4日間、鉄砲隊演武、プロジェクションマッピングなどリニューアル記念の多彩なイベントが繰り広げられる。

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