ファジ 次こそ悲願のJ1昇格を 初ホームPO 1万2千人懸命応援

スタンドを埋めた約1万2000人のファジアーノ岡山サポーター。ホーム初開催のJ1参入プレーオフで、夢を託したイレブンを懸命に鼓舞し続けた=シティライトスタジアム

 夢へとつながる“第一関門”の扉をこじ開けることはできなかった。30日に岡山市のシティライトスタジアムであったサッカーJ1参入プレーオフ(PO)1回戦で、J2のファジアーノ岡山は山形に敗れた。ホームでは初開催となった大一番。スタンドを埋め、最後まで懸命の後押しを続けた1万2千人近いサポーターは来季の悲願成就に希望を託した。

 山形には今季リーグで2戦2勝。6年ぶり2度目のPOを前にした会場一帯は勝利を信じて疑わないファンの熱気で満ち、「待ちに待った一戦。一緒に戦う気持ちを選手に届けたい」。進学先から駆け付けた松山大4年の学生(22)=同市出身=は興奮気味に話した。

 前半立ち上がりに先制を許し、0―1で折り返す展開にも「(リーグ上位の)ファジアーノは引き分けでも勝ち上がれるアドバンテージがある。まだまだこれからです」と同市南区、会社員(49)。イレブンの巻き返しに期待したが、後半に追加点を奪われると客席からは悲鳴が上がった。

 それでも、J2参戦14年目のシーズンで最終盤まで自動昇格(2位以内)を争い、過去最高の3位と躍進したチームへの応援がやむことはなく、試合終了後は温かな拍手に包まれた。同、農業(53)は「心に穴があいたよう。だけど、どきどきが止まらない1年間を過ごさせてもらった。来年こそJ1に連れていってほしい」。ピッチとスタンド、思いを一つにした挑戦は続く。

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