恐竜×邦楽、迫力の「新作長唄」福井でお披露目 鳴き声や足音を三味線と囃子、踊りで表現

映像や踊りとともに披露された長唄「恐竜」=10月30日、福井県福井市中央3丁目の浜町日々

 福井と邦楽の魅力が詰まった新作長唄「恐竜」が10月30日、福井県福井市中央3丁目の浜町日々で披露された。地球の誕生や恐竜が動き回る姿を歌詞と三味線、囃子(はやし)、踊りで表現し、壮大な世界観を観客約30人が満喫した。

 長唄「恐竜」は、福井・浜町芸妓(げいぎ)組合理事長のもも子さんが、邦楽を通して福井県いち押しの恐竜を知ってもらおうと企画。もも子さんが作詞し、長唄三味線演奏家の芳村伊十冶郎さん(46)=東京都=が作曲した。子どもにも分かりやすいように映像も制作した。

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 恐竜の迫力ある鳴き声や足音を表現した三味線と囃子、歌詞の展開に合わせて流れる映像をバックに、日本舞踊花柳流師範の花柳藍五郎さん(21)=福井市出身=が舞台全体を使って勇壮に踊った。振り付けも担当した花柳さんは「目で見て楽しめるようにダイナミックな動きに仕上げた」と話した。

 フクイラプトルなど福井ゆかりの恐竜の名前も次々と登場。もも子さんは「子どもたちにも見てもらい、邦楽にも興味を持つきっかけになれば」と語った。

 この日は「小さな文化祭」と銘打ち、お座敷唄や津軽三味線と和太鼓の創作曲なども披露された。

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