春の高校バレー県予選特集 バレーボール女子(3) 下剋上を掲げ「3年生力」で頂点目指す臼杵 【大分県】

スローガンに「下剋上」を掲げている臼杵だが、これまで達成には至っていない。3年生にとって最後のチャンスとなる春の高校バレー県予選では、攻守の切り替えの速い「つなぎのバレー」で、追い求めた頂点を目指す。

技術・精神両面で勝利の鍵を握るのは3年生。自主性を重んじる祝園浩監督の下、自ら考え、密なコミュニケーションを取り、ひたむきにチーム力の底上げに励んでいる。「あまり口は出さない。3年生が思い切りプレーできるようにサポートしている」とさらりと語る祝園監督。その言葉とは裏腹に、練習中は厳しい声で叱咤(しった)することもあるが、そこには選手たち、特に3年生に悔いのない戦いをしてほしいという強い思いがある。

リズム良く、テンポ良く、つなぐ。これまで積み重ねたものを反復しながら、チームは着実な成長を見せている。キャプテンの峯松澄色(3年)は「下剋上を達成して、優勝を目指す。そのために、キャプテンとして部活外でも積極的な声掛けを意識している」、副キャプテンの管さくら(同)は「確実に1本を決め、勝利に貢献したい」と話すなど、選手たちの意識も高い。優勝という大きな目標に向かい、殻を破ろうとしているのが伝わってくる。

何が起こるか分からないのが、春の高校バレー県予選。「練習試合でも簡単には負けない。詰めの甘さや、波もあるが、ハマったら強い」と祝園監督が話すように、下克上の準備は整いつつある。

3年生が核となる臼杵

戦力評価(10段階)

スパイク力 6

サーブレシーブ力 7

レシーブ力 7

サーブ力 7

ブロック力 6

セッターのトスワーク 8

攻守の切り替えの速いバレーで優勝を目指す。特にレシーブを重点的に鍛えており、つなぎの部分は県高校総体から大きく向上。残り1カ月、練習試合などで仕上がりを確認しながら、精度を高めていく。

チームをけん引するのは、攻撃の要となるキャプテンでエースの峯松とミドルブロッカーの岡田花奈(3年)。夏にけがから復帰したばかりのアウトサイドヒッターの管の出来も勝敗に大きな影響を与えそうだ。カギを握るセッターは高いトスワークを見せる矢野咲愛(2年)と佐藤心優(1年)がレギュラーを争っている。互いに刺激を与え合っており、こちらも残り1カ月での成長を見込んでいる。

スタイルを確立している最中で、全体的に若干低めの採点となったが、「下克上」「打倒東龍」を掲げる選手たちの意識は総じて高い。大会までに化ける可能性は十分にある。

大会に向けて仕上がりは上々

(甲斐理恵)

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