仮装した児童ら練り歩く 「唐人冬至祭inハロウィン」 長崎駅前商店街

唐人船を引きまちを練り歩く子どもたち=長崎市大黒町

 長崎市の長崎駅前商店街周辺で29日、江戸時代に唐人船を作って家々を回った交流の風習とハロウィーンにちなんだイベント「唐人冬至祭inハロウィン」があった。仮装をした子どもたちが、かぼちゃの装飾などを付けたハロウィーン仕様の小さな唐人船を引き、まちを練り歩いた。
 同市では、中国人が雑居していた江戸時代から、子どもが冬至の夜に小さな唐人船を作り、銅鑼(どら)を鳴らしながら家を回って菓子などをもらっていたという。長崎くんちで唐人船を奉納している大黒町の青年会などでつくる同イベント実行委員会が、ハロウィーンに合わせて当時の風習を復活させようと企画。中国との交流の歴史を改めて伝え、地元の子どもにも伝統の担い手になってほしいと初めて実施した。
 参加者は同商店街を中心に飲食店など約40カ所を回り、店主らから菓子を受け取った。店頭で子どもたちは「冬至の良き日に唐船の、いでたるめでたしめでたし」と冬至を祝い、同町の青年会会員や中高生らが太鼓や銅鑼の音を響かせ、同町が長崎くんちで演(だ)し物を披露する際の「ヤーハッ」というかけ声を合わせた。
 同町自治会の藤原祥司さんは「まちなかにたくさんの子どもたちがいる光景が今までになく、開催できて良かった」。参加した市立西坂小4年の橋爪沙和(さな)さん(10)は「楽しかった」と菓子をもらってうれしそうに話した。


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