男子・島原工22年ぶり優勝/女子・長崎商2年ぶりV 全国高校ソフトボール県予選

【男子決勝、佐世保西―島原工】4安打1失点で完投した島原工のエース橋本=佐世保市総合グラウンド運動広場

 ソフトボールの第41回全国高校選抜大会県予選は29、30日、長崎県佐世保市東部スポーツ広場などで行われ、男子は島原工が22年ぶり4度目、女子は長崎商が2年ぶり15度目の優勝を飾った。両校は全国大会(男子=来年3月25~28日・大村市、女子=3月18~21日・鹿児島市)の出場権を得た。全国大会が地元開催の男子は2位の佐世保西など最大4チームが出場する。
 男子は今年の春夏全国王者の大村工が1回戦で佐世保西に敗戦。決勝はその佐世保西に島原工が2-1で競り勝った。初回1死二、三塁から橋本の左前適時打で先制すると、三回1死三塁から野選で追加点。六回に1点を返されたが、エース橋本が4安打で完投した。
 女子決勝は長崎商が九州文化学園を3-1で退けた。初回に四死球や敵失で塁を埋めると、2死から吉田が左前適時打を放ち、守備の乱れに乗じて3点を先行した。その後は二回に満塁のピンチを1点でしのぐなど守備で踏ん張り、7回を投げ抜いた北川を全員で支えた。

◎島原工 エース軸に競り勝つ

 男子は島原工が右腕橋本を軸にした堅守で22年ぶりに優勝。決勝は王者大村工を破ってきた佐世保西に2-1で競り勝った。ハイレベルの県大会を制し、渕上監督は「少ないチャンスをものにして、我慢強くやってくれた」と選手たちをねぎらった。
 エースはピンチで慌てなかった。二、四回は三塁に走者を背負っても「冷静に厳しいコースをついていけた」と振り返った通り、決め球のドロップで切り抜けた。六回に1点を許したが、なおも続いた2死一、二塁は「自分が抑える」とギアを上げ、次打者を3球三振。二塁山崎らバックも無失策の守備でもり立てた。
 9月の県高校新人大会決勝は大村工を終盤まで2点リードしながら逆転負け。その悔しさも糧に粘り強さを身につけてきた。県1位校として挑む来春の本番に向け、橋本は「いつでも三振が狙えるように一歩ずつ成長していく」と早くも気合を入れていた。

◎長崎商 吉田が初回に殊勲打

【女子決勝、九州文化学園-長崎商】1回裏長崎商2死満塁、吉田が左前へ先制打を放つ=佐世保市東部スポーツ広場

 女子の長崎商は昨年、準決勝で九州文化学園との延長タイブレークの激戦を制した後、決勝で精彩を欠いて向陽に敗れた。この日は準決勝で向陽に大差で雪辱を果たすと、決勝も集中力を切らさずV奪回。溝口監督は「若いチームがしのいで勝てたことは評価したい」とうなずいた。
 互いに何度も好機をつくった九州文化学園との決勝は結果的に初回の3点が勝負を分けた。2死満塁フルカウントから、昨季も出場していた吉田がファウルで粘って左前へ。「厳しい場面だったけど、いい流れを持ってこようと強気でいけた」。二走の本塁クロスプレーで捕手が後逸し、一気に一走まで生還した。
 ただ、その後は耐える展開となり、春の大舞台に向けて課題も残った試合。自身も第2、3打席に好機で凡退した吉田は「悔しい。勝てたけど、まだまだ成長できる」と慢心はない。溝口監督は「やりがいのある冬になりそう」とチーム力の底上げに意欲を示していた。

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