障スポ3日間の熱戦に幕 栃木県勢メダル最多の144個【動画】

閉会式会場を後にする各都道府県の選手団に小旗を振って見送る栃木県選手団=31日午後4時45分、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎ

 第22回全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」(障スポ)は最終日の31日、陸上、水泳、サッカーの3競技と閉会式が行われ、3日間にわたる国内最大の障害者スポーツの祭典が幕を閉じた。障害の有無などに関わらず誰もが活躍できる「共生社会」の実現を掲げた大会には、全国から約3300人の選手が出場。栃木県勢は金メダル62、銀41、銅41の合計144個のメダルを獲得し、前回福井大会の37個を大きく上回り、過去最多となった。

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 最終日の3競技では8人が栄冠を手にした。陸上は知的障害者青年男子400メートルの杉本汐夢(すぎもとしおん)(宇都宮)ら7人が頂点に立ち、杉本は29日の200メートルと合わせ2冠を飾った。

 水泳は肢体不自由者男子1部の大島茄巳琉(おおしまかみる)(佐野)が50メートルバタフライで大会新記録を出し優勝した。団体競技で県勢唯一の決勝進出を果たしたサッカー(知的)は、強豪・東京と延長戦までもつれ込む激闘を演じて準優勝に輝いた。

 宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎで行われた閉会式には高円宮妃久子さまが臨席され、都道府県と政令指定都市の67選手団から5562人が参加した。

 福田富一(ふくだとみかず)知事が、来年開催となる鹿児島県の塩田康一(しおたこういち)知事へ大会旗を手渡した。とちぎ国体から引き継がれた炬火(きょか)は、選手たちの前で静かに納火された。

 車いすの選手や白杖(はくじょう)を持った選手らは互いに健闘をたたえ合い、退場の際は別れを惜しむかのようにスタンドへ手を振り続けた。

 新型コロナウイルスや台風の影響で4年ぶり、栃木県では初の開催となった今大会。実行委員会によると、14の正式競技に選手や観客ら2万9583人が参加。オープン競技や開閉会式を含めると計5万8103人が大会に関わった。

 大会会長の福田知事は閉式後の記者会見で「大会を通じて培われた有形無形のレガシー(遺産)を継承し、障害や障害者への理解を一層進め、県民誰もが共に支え合う共生社会の実現を目指す」と話した。

 コロナ対策は来県前のPCR検査など水際対策を徹底。期間中に選手の陽性者は2人出たが、競技会の中止や広がりはなかった。

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