新型コロナ41日ぶり千人超え 栃木県、今冬医療体制強化へ

新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 栃木県は1日、新たに計1171人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日当たりの新規感染者数が千人を超えるのは9月21日以来、41日ぶりとなる。冬場にはインフルエンザとの同時流行が懸念されており、県はピーク時に1日当たり約1万3500人の患者が出ると想定。現在の診療能力の1万人を超えており、外来医療体制の強化に向けた整備計画づくりを進めている。

 新規感染者数は、前週の同じ曜日を7日連続で上回っている。31日時点の人口10万人当たりの新規感染者数(直近1週間)は223.5人で、3週間前の10月11日時点(129.6人)の約1.7倍にまで増加している。

 国の方針を受け、県は外来医療体制を強化する整備計画の策定を進めている。県の試算では今冬のピーク時に1日当たり6824人のコロナ患者、6758人のインフル患者が発生し、一部を除く計1万2950人が外来受診するとみている。現在の診療能力では不足のため、県は医師会や医療機関と協議し計画を詰めることにしている。

 同時流行で発熱外来が逼迫(ひっぱく)した場合でも重症化リスクの高い高齢者や持病のある人、妊婦などが確実に受診できる体制を整える方針だ。

 国が示した指針では、低リスクの人が体調不良の場合は受診を控えてもらい、コロナ検査キットで自己検査し陽性だった場合は健康フォローアップセンターに登録して自宅療養に入る。陰性だった場合は電話やオンラインで診療を受け、治療薬を処方してもらう流れを想定している。

 一方、医師会にはインフルの電話・オンライン診療に慎重な意見もあり、県感染症対策課は「本県として積極的に電話・オンラインを活用するかどうかは検討中。有識者の意見を聞いて判断したい」としている。

 福田富一(ふくだとみかず)知事は「同時流行を抑えるにはワクチンが重要な役割を果たす。コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種も可能なので、早期の接種を検討してほしい」としている。

 

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