いよいよW杯

 誰かを選ぶことは、誰かを「選ばない」と決めることだ。森保一監督は一昨日の会見で「最終的にはけさ決めました」と悩みに悩んだ選手選考の舞台裏を明かした。サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会に臨む日本代表の26選手が発表された▲最終予選の序盤でつまづき、昨年の今ごろは“監督更迭論”がくすぶっていたように記憶している。そこからチームを見事に立て直し「行雲流水」の心境で開幕を待つ指揮官。雲が行き、水が流れるように-「自然体」をいう言葉だ▲森保監督と同じ長崎市の出身、DFの吉田麻也選手はブラジル、ロシアに続いて3回目のW杯。今回は腕にキャプテンマークを巻いてフィールドに立つ▲1次リーグの対戦相手は順にドイツ、コスタリカ、スペイン。とりわけドイツ戦、スペイン戦は「守備の要」が大忙し…のゲーム展開が予想される。黙っていても声援に力が入りそう▲気になるのは現地との時差だ。またも寝不足必至か-と思いきや、初戦は日本時間の午後10時キックオフ、2戦目は午後7時に開始。3戦目は午前4時スタートで、ここは頑張って早起き▲同じカタールが舞台だった29年前の「ドーハの悲劇」、職場のテレビに向かって皆で悲鳴を上げたことを思い出した。今度は、どんなドーハになるだろう。(智)

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