「あんなことなければ、どんな穏やかな日だったか」熱海土石流災害から1年4か月 不明者の捜索続く

静岡県熱海市の土石流災害から11月3日で1年4か月です。現場では、被災者などが黙とうを捧げ、警察が一斉捜索を実施しました。

熱海市の土石流災害の現場では、最初に通報があった午前10時半に合わせて黙とうが捧げられました。10月、公費で自宅を解体した太田滋さんと妻のかおりさんは、癒えることのない今の心境を語ってくれました。

<自宅を被災した太田かおりさん>

「今日は穏やかで温かくていい日なんですが、こんなに穏やかな日だと、あんなことがなければ、今頃はどんな穏やかな日だったのかと思うととても切ない思いがします。新しい街をこれから作り始めるんですが、なんでここに帰りたいのか、伊豆山だから帰りたい。その思いを市の方にちゃんと受け止めてもらいたいですね」

一方、伊豆山港では、いまだ行方が分からない太田和子さんを探すため、警察が40人態勢で海中や波消しブロックの隙間などを捜索しました。

また、熱海港にある土砂の仮置き場では、ふるいにかけた土の中から手がかりになるものをひとつひとつ丁寧に探す作業が、連日行われています。仮置き場では今年9月に太田さんの手提げバッグや、運転免許証が見つかっています。

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