「命の大切さ見つめて」 被爆3世テーマに長崎で写真展 広島出身・堂畝さん

来館者らに写真の説明をする堂畝さん(中央)=長崎市平野町、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 被爆3世の家族写真をテーマにした写真展「生きて、繫(つな)いで」が3日、長崎市平野町の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館交流ラウンジで始まった。撮影した写真家の堂畝紘子さん(40)が同日、講話し「命の大切さを考え、自分の家族を見つめ直すきっかけにしてほしい」と訴えた。写真展は16日まで。入場無料。
 堂畝さんは広島市出身。各地で3世代の家族写真の写真展を開いている。今回は2015~19年に撮影した長崎の被爆者10世帯の10枚を展示。被爆者と子、孫の笑顔の集合写真や、被爆者の遺影を持つ孫の写真が並ぶ。
 堂畝さんは講話で「被爆の継承に固執していたが、他の人から『命のつながりが可視化されている』と言われ、生きた証しを伝えようと決心した」と考えの変化を打ち明けた。
 講話を聞き、写真を見た長崎市戸町2丁目の会社員、川崎貴俊さん(33)は「ロシアがウクライナに戦争を仕掛けるなど国際的に強者が弱者を食う世界の中で、命をつなぐとは何だろうかと考えさせられた」と話した。
 堂畝さんは、被爆3世で家族写真を撮りたい人を募集している。問い合わせは「被爆三世 これからの私たちはproject」(hibaku3sei@gmail.com)。
 写真展は午前8時半~午後5時半(16日は午後3時まで)。


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