かくれ信徒、オラショ奉納 長崎・下黒崎で枯松神社祭 ジワン神父や「潜伏キリシタン」慰霊

オラショを奉納する村上さん=長崎市、枯松神社

 キリシタン神社として知られる枯松神社(長崎市下黒崎町)で3日、「第23回サン・ジワン枯松神社祭」があり、禁教時代の信仰を続ける「かくれキリシタン」らが、禁教下でも信仰を守り続けた先人たちに祈りをささげた。
 かつて外海地方で潜伏キリシタンを指導した宣教師サン・ジワン神父を祭る同神社。2000年に始まった神社祭は、地元のかくれ信徒やカトリックらが宗派を超え、ジワン神父や、共通の先祖「潜伏キリシタン」を慰霊する。ただ、高齢化や行事の重なりなどもあり、今年も昨年同様、かくれ信徒のみで実施した。
 神社祭は関係者ら約30人が参加。地元、黒崎かくれキリシタンの帳方(指導者)、村上茂則さん(72)が先祖代々伝わるオラショ(祈り)を約30分かけて奉納した。村上さんは「先祖たちは厳しい250年の潜伏時代を乗り越え、必死になって伝承した。継承することに意義があり、残された私たちもできる限り続けたい」と語った。


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