響く笛の音 賑わい戻る 3年ぶり秋の大祭「佐世保くんち」

笛の音を響かせて佐世保市中心部を練り歩いたみこし行列=同市

 亀山八幡宮(長崎県佐世保市八幡町)の秋の大祭「佐世保くんち」が3日、3年ぶりにあった。みこし行列が笛の音を響かせて市中心部を練り歩くと、見物人はさい銭を供えたり、写真を撮ったりして、町はにぎわった。
 佐世保くんちは、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈願する伝統行事。例年は11月1~3日に開いているが、新型コロナウイルス感染拡大を考慮し、御神幸が「お旅所」の松浦公園(同市松浦町)に向かう「お下り」と、亀山八幡宮に戻る「お上り」を1日に集約した。
 神事町の白木町は3年越しの奉納が実現。鈴が付いた棒を持って踊る「中部ハイヤ」をしめやかに披露した。同町の児童らもみこしを担いで元気なかけ声を響かせた。大野喜代子さん(78)は「待ちに待った日だった。うれしさが込み上げ、涙を流しながら踊った」と喜びをかみしめた。
 辻博総代長(73)は「秋晴れの下、3年越しにやれてよかった。コロナに打ち勝ってできたのは自信になった」と話した。


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