宇都宮の梵天祭り 3年ぶり、規模縮小して開催

梵天まつりのポスター

 【宇都宮】色鮮やかな房を付けた梵天(ぼんてん)を羽黒山神社に奉納する上河内地区の秋の伝統行事「梵天まつり」が19日、3年ぶりに行われる。

 農作物の収穫に感謝し、五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全を願う祭り。江戸時代の中頃に始まったとされ、約350年の歴史がある。新型コロナウイルスの影響のため2年連続で中止していた。

 祭りは例年、同地区の約10団体が梵天を1本ずつ作るが、今年は新型コロナ対策として規模を縮小する。「原組梵天保存会」と今里町有志グループの2団体から約80人が参加し、梵天2本を奉納する。

 当日は午前10時ごろから正午にかけて、参加者たちが梵天を上下に大きくたたいて今里町内を練り歩き、羽黒山の山頂にある同神社を目指す。県道藤原宇都宮線(通称・梵天ゆず街道)の約550メートル区間は歩行者天国となり、約60店の露店が並ぶ。20日は2団体が梵天を神社にトラックで運び、奉納のみ行う。

 同地区自治会連合会長で、原組梵天保存会の斎藤光男(さいとうみつお)さん(78)は「江戸時代から続く祭りなので中止は心苦しかった。今年はどうしても開催したかった」と話している。

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