平和の尊さ考えて 特攻隊題材、生徒ら劇制作

平和への思いを劇にして発表した唐瀬原中の3年生ら(同校提供)

 平和の尊さについて考えを深めようと、川南町・唐瀬原中(日高亘校長、280人)の生徒らが太平洋戦争の特攻隊を題材にした劇を制作した。鹿児島県南九州市知覧町で食堂を営んだ故鳥濱トメさんと、鳥濱さんを母のように慕った隊員らの交流を描いた内容で、「ホタル帰る」(赤羽礼子・石井宏著)を基に同校の北林久幸教諭が脚本を手掛けた。
 3年生96人が、10月下旬の文化祭で詩の朗読やダンスと併せて発表。出撃した隊員がホタルとなって食堂に帰ってくる展開で、最後は「どうしたら平和になるか考えよう」と呼びかけた。
 隊員役の生徒は、川南町・川南ライオンズクラブの会員から借りた軍服を着用した。監督を務めた3年の井尻奏さん(14)は「戦争のために若い命が散る理不尽さを感じた」と振り返った。

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